kintone(キントーン)はWeb型データベースの覇者となり得るのか?

何度かご紹介させていただいている小規模事業者持続化補助金ですが、今年度から「販路開拓」に付け加えて「業務の効率化」も対象となっています。いまお受けしているkintoneを使用した業務効率化アプリも、この補助金の採択を受けた案件なのですが、もうすぐ完成できそうでホッとしているところです。

それとは別件で、今までFileMaker Serverで稼働していた業務用データベースをkintoneに移行する案件も受けています。なぜかkintoneの案件が続く昨今ですので、今回はkintoneについて書いてみたいと思います。

kintoneってなに?

以下、Wikipediaより抜粋

kintone(キントーン)とは、サイボウズ株式会社が提供している、webデータベース型の業務アプリ構築クラウドサービス。マウス操作で直感的に自社に合ったシステムが作成できる他、豊富なAPIを通じて他システムとの連携も容易に可能となっている。

従来のシステム開発は、プログラミングができる社内開発体制か、システムインテグレータへの依頼が必要だった。しかし、日本国内においてはkintoneがリリースされてからユーザーが「業務システムは自分で作る」という考えや、開発会社においても「ユーザーと一緒に良いものを作っていく」という意識が浸透し始めた。 その結果、人月商売だったシステム開発の考え方に変化が起こりつつあり、顧客の目の前で開発を行う面前開発など、新たな開発手法も見られるようになった。

平たく言えば「Webデータベースがかんたんに作れるよっ!」というクラウドサービスです。ブラウザの画面からフィールドをドラッグして配置できるので、かんたんなアプリだと10分程度で作れてしまいます。基本がWebベースなのでPC・タブレット・スマホ等、端末を選ばずに即戦力となるデータベースが作れます。

でもお高いんでしょう?

スタンダードコースで月額1,500円 / 1ユーザー。(5ユーザー以上での購入が必要)
安いとは言いませんが、この手のサービスとしては手頃であると思います。海外では似たような無料サービスもあるのですが、日本語でのサポートは欲しいですよね。

注意したいのは、利用料や開発費以外にも考慮すべきコストがあるという事。
業務利用の場合、どうしても高機能な帳票印刷機能が欲しくなります。

また、不慮の事態や操作ミスによるデータ消失に備え、バックアップサービスも欲しいところです。

FileMaker 対 kintone

同様のサービスではUnitBaseやnyoibox、Sales Cloudなどがあるのですが、このジャンルではkintoneがコストパフォーマンスで頭一つ抜けている印象です。そこでWeb専用のデータベースでは無いのですが、あえて昔から定評のあるFileMakerと比較してみました。(あくまでも私の主観です)

  • 開発時間(≒開発コスト)
    開発コストの低さで定評のあるFileMakerですが、難易度が高くないものなら確実にkintoneの勝ち。
  • 初期費用とランニングコスト
    利用方法にもよりますが、例えば社員数名が外出先からスマホやタブレットで利用することを考えるとkintoneの勝ち。
    FileMakerはサーバ本体、FileMaker Serverとサブスクリプション、VPN用ルータの導入やその維持費がネックですね。ただし、FileMaker Cloud(AWSを利用したサービス)と比較するとなると判定は難しいです。
  • 柔軟度と拡張性
    kintoneもJava Scriptを使うとそこそこ柔軟な対応はできるのですが、ここはやはりFileMakerの勝ち。さすがにリリースして30年以上もバージョンアップを繰り返していません。

まとめ

kintoneは(開発者は別として)普通の会社員様にとっては扱いづらかったデータベースがすごく簡単に利用できるサービスです。
最初から用意されているアプリも日報、顧客リスト、クレーム管理、案件管理など100種以上が用意されているので、社内業務をエクセルで行っているような企業様では大きな恩恵があると思います。散乱していたエクセル・ワードの報告書やレポートが、生きた資産として活用できるようになり業務改善に役立つでしょう。

ただし向き不向きがあります。販売管理や会計(数字の集計)にはあまり向かないです。
30日間無料で試用ができますので、ご興味のある方は試してみられると良いかと思います。