キントーンの導入時に注意したい3つのポイント ~あとで「しまった!」とならないように~

TVCM等で目にする機会も多くなったサイボウズのクラウドサービス キントーン(kintone)。今回はキントーンを初めて導入される企業様向けに、導入時に気をつけたいポイントを5つまとめてみました。

1.契約について

契約の仕方によってはかなりお得になる場合があります。
キントーンのWEBサイトから直接申し込みをされている場合が大半だと思いますが、最近では富士フイルムビジネスイノベーション様やリコー様なのどの事務機器屋さんでも取り扱いされています。ゼロックスやリコーの複合機をご利用の企業様は、一度相談されると良いでしょう。
特にリコー様では「RICOH kintone plus」というサービスがあり、キントーン(サイボウズ社)に直接申し込むのと同じ料金で帳票作成などのプラグインが付属するのでお得です。詳しくはリコー様にてご相談ください。

なおNPO法人や任意団体の方は「チーム応援ライセンス」という、900ユーザーが年額 9,900円(税抜)で利用できるプランがあります。サイボウズ社の審査もあるようですが、めちゃくちゃお得です。対象の団体様は下記URLから詳細をご確認ください。

また、学校法人での校務利用や、官公庁などの公共団体向けに「アカデミック/ガバメントライセンス」があり、こちらも料金がお得になっています。

2.アプリ設計について

申し込み後は30日のお試し期間が利用できます。
この間にあれこれ試して、自社の業務にどう生かせるのかを検証したいところです。
中には思っていたものと違うなどの理由で、お試しだけで撤退される場合もあるかも知れません。
ノーコードアプリ(プログラムのコードを記述せずにアプリケーションなどの開発が可能なサービス)なので、慣れるとアプリ制作がどんどん進みますが、データベースの設計において、以下3点は注意してください。

ルックアップや関連レコード一覧用の主キーに、社名や人名やレコード番号を使わない事

社名は変わる場合があります。人名も結婚して変わる場合があります。
レコード番号は一見うまく使えそうに思えますが、削除したレコードのレコード番号は欠番となり、番号の振りなおしはできません。
なので、うっかりレコードを削除してしまうと、そのアプリでの削除したレコード番号は欠番となるのでバックアップのCSVではデータ復元ができません。またkBackupなどのバックアップサービスで利用できるCSVでは、レコード番号がバックアップされません。

主キーに使うフィールドは、自動採番のプラグインで取得するのがベストです。
検索すると無料のプラグインやサブスクのプラグインが見つかりますが、一部の無料プラグインではレコード数が2万を超えたくらいから挙動が怪しくなり、同じ番号を採番するなどの現象を確認しています。(アプリの設計やフィールド数にもよりますが…)
レコード数が多くなる場合は、接頭辞を年度(または年度+月)に設定して適度なタイミングでリセットした方が安心です。
具体的には「2023-00001」のような連番にして、2023の部分を変更する事で毎年リセットします。
なお以下のアディエム様のプラグインは無料でも充分使えますのでお勧めしておきます。

人名は「姓」と「名」に分けておいた方が便利です

姓名を「山田 太郎」のようにひとつのフィールドに入れたくなりますが、姓の「山田」と名の「太郎」に分けておくと、後々使い回しがしやすくなります。でないと、どうしても「山田様」と出力したくなった時にとても困った事になります。
ちなみに姓名全体は、別の文字列(1行)フィールドに「姓&” “&名」を計算して表示させます。
「ええと、姓と名の間の空白文字は半角だっけ?全角だっけ?」みたいに悩む必要もなくなります。
同様の事が電話番号などにも言えますが、重要度は姓名ほどでは無いです。

テーブル(レコードに埋め込むテーブル)は極力使わない方が無難です

便利な機能なのですが、集計などの使い回しがしにくい、CSVの手修正がややこしいなどのデメリットがありますのでご利用は慎重に。以下は過去記事で紹介した「テーブル内の数値を科目ごとに集計し、フィールドに入れるJavaScript」です。なかなか便利ですので機会があればお試し下さい。

3.プラグインについて

さて、アプリ開発が進むとキントーンの標準機能ではもの足らなくなってくると思います。
有償のプラグインなどにも食指が動きますが、どんな業種や業務内容の方でも絶対に欲しいのは帳票(印刷用のレイアウト)を作るプラグインでは無いでしょうか。キントーンはブラウザで動作するアプリなので、どうしてもブラウザ標準の印刷機能では物足りないです。
帳票を出力するプラグインはほとんどがサブスクなのですが、よく探せば1つだけ買い切りのプラグインが存在します。
スタートダッシュ、特に補助金を利用してキントーンを導入する場合には、買い切りだと予算を消化できるのでありがたいですね。
下記はPDFで帳票出力できる買い切りのプラグイン、シンプルで使いやすいです。

もっと予算を消化したい場合にはrex0220様のサイトに買い切りのプラグインが多数あるのですが、後々ATTAZoo+(アッタゾー)などの複数のプラグインの組み合わせによるサブスクを導入する見込みがある場合は、被ったらもったいないので慎重にご検討下さい。

キントーンの導入でお困りの方、ご相談下さい!

今までに100以上のキントーンアプリを作ってきました。
「こんなアプリ作りたいのだけど、どうすれば…」などのご相談に乗れます。
ゼロからのスタートでもわかりやすくアドバイスさせて頂きますのでお気軽にご相談下さい。